2017/06/09 05:58

刺繍、はじめました!


刺繍ものが好きで、お店で売っているからには自分も体験してみようと。
&JOURNEYのロゴマークをチクチク。




チクチク、縫い縫い。集中して楽しくてあっという間に時間が過ぎる。
そして思い描いた絵がだんだんと見えてくる喜び。
何かを生み出す高揚感のある良い時間。




どこかのお店で素敵な、でもお値段が高くて手の届かないものを見た時、
あー欲しい!あーでも高いな!いや、これ似たようなもの、自分でも作れるんじゃ…!?と思います。

そして時々自分で実際つくってみたりもします。
やってみると、楽しいし意外と簡単にそれっぽくできてしまったり。
おー私天才!なーんて。


でもね、

そこで、はたと気づくのです。あくまでも「それっぽく」だなって。

粗っぽく、手直し誤魔化し、でも一生懸命な私の作品は確かに輝いてる。すばらしい。

でもね、やっぱりお店で見た本物とは何か一線、越えられないものが確かにあるのです。


実際つくってみたからこそ、
まず材料を揃えるということから、どうしても綺麗に仕上げられない部分とか、
どのくらい時間がかかる…とか、わかってしまって。
もし私が同じものを何個もつくって!と言われても、困るし。
そしてまた新しいアイデアで何かつくり続けなくては…というプレッシャー。
…続けられない。

繰り返し繰り返し作品をつくり続ける作家さんは、やっぱり偉大だなぁと改めて思うのです。

そしてやっぱりあの店に売っていた作品の価格にはその価値があるんだなぁと。
その作家さんはそれをつくることで生きているんだもの。




私が売っているものも、膨大な時間と手間をかけられてつくられたものたち。



その時間と手間は作家さんのものだけじゃなくて、
そのお母さんやお婆さん、そのまたひいお婆さんからひいひい…と続いてきたものだったり。

それを日本で売るとき、価格設定にはいつもものすごく悩みます。

お店を始めたばかりの頃、海外で安く手に入れてきたものたちを、
日本の価格で売ることに、なんだか後ろめたさを感じました。
自分でお店を始める前、現地での価格を知っている私は日本のお店の価格を見ていつも
どんだけのっけてるの〜!?と思っていましたし。

実際お店を続けてみたら、
やっぱり日本では日本の価格が適正価格(そうではないものもあるにしろ)なんだなぁと気づきました。

あたり前ですが、お店の維持費、渡航費、輸送費、資材費、その他もろもろ…
ものを売るには仕入れ値だけでなくいろんな費用がかかります。
特に個人でやっているので投資と思って続けるにしても資金力が足りず手を出せないことも。
もちろん自分の時間は惜しみなくそそげるけれども、
時には他の人に助けてもらわなければならないこともたくさん。




循環する仕組みをつくれるように続けることが大事だと実感…。



何より、少しでも作り手の人に還元したいと思うのならば、
その手仕事の素晴らしさと真価を伝える努力をして、その価値に見合った価格で売ること。
そしてまた買い付けに行って前よりも良い値段で買うこと。
それを自分自身も続けられるようにすること。←実はこれが一番難しい…
循環する仕組みをつくれるように続けることが大事だと実感…。



何事も始めるのは簡単。

辞める、ということが必要な時もあるけれど、続けるってことが一番難しく、そして意味がある。

続けた先に何があるのかー。

関わってくれたみんなが笑顔になれるように…まぁるく繋がれる関係をつくれたらいいなと思います。
理想はまぁるく…まだまだイビツな形でしかないことにモヤモヤしたり申し訳なく思ったり焦ったりするけれど。


イビツな形に一緒に乗ってくれている皆様に、まずは感謝。
本当にいつもありがとうございます。



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written by

世界の布と雑貨のお店
&JOURNEY 店主 : 未希
andjourney.com

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