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2018/03/08 11:33




ボリビアと言えばウユニ塩湖!…だけれども、

テキスタイル・織物好きとしてはどうしても一度行っておきたかった場所、

スクレの織物博物館とその近郊の街タラブコでおこなわれる日曜市。

今回はスクレで出逢った織物のお話!



白い壁にオレンジ屋根の街並みは世界遺産!スクレの街並み


スクレはボリビアの首都だというのに、実質の機能はほぼ全てラパスに持って行かれ、
飛行機の国際便もラパスが玄関口…ということでラパスからさらに飛行機を乗り継いてやってきました。


南米は移動が面倒…!!なのではるばる日本から30時間以上かけてたどり着いたラパスからウユニへ行き、
さらにスクレにも…というのはなかなか難しいのか、日本人観光客はあまり見かけません。

けれどここスクレ…白い壁にオレンジ屋根の美しい街並み。

さすが世界遺産として登録されているだけあります!

もっとゆっくり滞在したかった〜!というくらい良い街でした。


滞在したホステルも16世紀に建てられたコロニアル式の建物で、素敵な吹き抜けの中庭が。


街中にはおしゃれなカフェやチョコレート屋さんもあり、のんびりした雰囲気の良い街でした。




そんな首都スクレで私が一番行きたかった場所!

織物博物館!Museo de arte indigena - asur

MAP



この織物博物館は1985年(ちょうど私が生まれた頃!)、スペイン人とチリ人の夫婦がボリビア内を巡って
民族衣装を身にまとった貧しいインディヘナの人々と出逢ったことから始まったそう。
忘れかけられていた伝統の織物を復興し経済的自立をサポートするために
美術館の運営とショップ、定期的なインディヘナの人々へのワークショップがおこなわれています。

展示のメインは主にJalq'a(ハルカ) Tarabuco(タラブコ)の2つのインディヘナグループの作品。

※館内撮影禁止のため以下の画像はショップのものになります



不思議な生き物のアンダーワールド!''Jalq'a (ハルカ織り)''


実際に素晴らしいクオリティのハルカ織りを目の前にしたら、
その世界に飲み込まれてしまいそうな圧倒感。




赤✕黒の強いコントラスト。

2つ頭の鳥、羽の生えた馬、悪魔のような人型など…
びっしりと描かれた不思議な生き物たちは、まるでこの一枚の布の中で息づいてうごめいているみたい。

これらはkhurus(クルス)と呼ばれる生き物で、
''unku pacha''と呼ばれる架空の暗い黄泉の国に住まうのだそう。

ハルカの人々にはこの世界に関する迷信神話がたくさんあって
先祖の夢や古くに失われた洞窟の絵にも由来するとか。

無秩序に組み込まれているように見える一つ一つのカタチは
計算しつくされて配列されないとこうはならないよな…と気付き感嘆!

美術館にあるような高品質で大きなサイズのものはお値段もなかなか手ごわい…。

ショップで一目惚れしてしまったこの作品をなんとか買える値段まで交渉して手に入れてきました。家宝!

伝統カラーは赤✕黒だけど、モノクロを購入。こちらの素材はリャマの毛。




ミニチュア絵本の世界!''Tarabuco (タラブコ織り)"


タラブコ織りはハルカ織りとは対象的に、リアルな世界
日常の農作業や冠婚葬祭のセレモニーの様子、身近な動物たちや植物…



彼らは目に見えるもの、タラブケーニョの日々の現実世界をシンメトリーに描く。
しかしそれが細かくミニチュアのように織られていて、なんともキュート!

秩序だった配列の中にストーリーのように並ぶキャラクターたちを上から下までじっくり眺めると
まるで絵本の世界!のタペストリー。

ちなみにお葬式や喪中の様子はブルー・グリーン・パープルが優先的に使われ、
その他はカラフルなレインボーカラー



素材は羊毛と綿。
元々はポンチョ腰巻きコカの葉を入れる袋などに織り込まれて、日常的に着用される民族衣装。
最も装飾的で複雑な織り方は、女性が身に着けているマントの一種であるaxsu。


↑ 男性のポンチョ





伝統の織物の継承


2つの魅力的な織物…

個人的に好みなのはダークでミステリアスな世界観のハルカ織りかな。
グアテマラにも神話や不思議な生き物が登場する織物があるのだけれど、なぜかとっても惹かれる。

どちらの織物も、大きなものは一枚織り上げるのに3ヶ月〜半年かかる。

そんな手間のかかる伝統的な先住民族の織物が世界中で徐々に姿を消していってるけれど、
タラブコとハルカの織物は、そのクオリティとデザイン・価格を見て、
きちんと生きのびるために織られていることがわかった。
つまり観光客やテキスタイル好きの人々への販売のために織られているのだけれど、
単なるお土産品というよりは、アートのレベルまで達していてとても好感が持てた。
土産品として簡易的に織られているものさえも質良く可愛かった。
そしてお値段は可愛くなかった。笑

それは最初にお話したこの織物博物館の成り立ち、
スペイン人とチリ人のご夫婦とこの織物との出会いから織物が継承されているからかもしれない。

スペイン人の夫Martinezさんはこの土地の言語(ケチュア語)が流暢で、
チリ人の妻Cerecedaさんはアンデステキスタイルの権威

忘れかけられていたこの土地の織物を復興しようとしたとき、
織り手たちは織り方は知っていても、
ハルカ織りのデザインの特徴である多くの奇妙な動物、khurus(クルス)は忘れかけられていた。
Cerecedaさんはボリビアと海外の知人のコレクターやディーラーに、
彼らが所有するハルカ織りの写真を送ってもらい、
300以上の伝統的なモチーフの写真を集めて、若い織り手さんたちの参考にできたとのこと。



その後チリ・フランス・ボリビアで展示をおこない、スクレにこの織物博物館ができたそう。

民族衣装として織られていたものがアートとして生まれ変わって
技術と伝統と人々の生活が続いていく道筋ができた、素晴らしい事例だと思う。




おすすめショップ  '' Inca Pallay ''

織物博物館とセットで訪れたいのが、セントロにあるショップ ''Inca pallay ''
⇒ MAP



素晴らしいクオリティの作品を購入できると同時に、
実際の民族衣装や英語のキャプション付きでとっても見やすい&学びやすい!

ショップの商品の売値60%は織り手さんにしっかりと届けられるそうです。

小物をいくつか購入してお店のおじさまに「ここの織物が見たくてスクレに来たの!」と言ったら
織りの様子を収めたというDVDをくれました。(プレイヤーがないのでまだ見れていませんが)嬉しい!



素晴らしいボリビアの伝統織物に出会え、はるばるやって来たかいがありました!


そんな織物を織り手さんから直接購入できるのが、この街に来たもう一つの目的地である
Tarabuco(タラブコ)の日曜市!

また次回のブログでご紹介します★




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written by

世界の布と雑貨のお店
&JOURNEY 店主 : 未希
andjourney.com

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