2019/03/22 06:42
ダイヤモンドが散りばめられたような菱形の幾何学模様が美しい手織物
メキシコ、チアパス州のサン・アンドレス・ララインサール(San Andrés Larráinzar)の織物の
ワンピースやチュニックブラウス、クッションカバーなど、先日の買い付け旅にて新たに入荷しました!
私はここの織物がすごく好きで、今回は特にデザインも色合わせも可愛いものと出会えてラッキー!
すべて手仕事(ちなみに縫製まで手縫い〜!)なのでお気に入りの色柄との出会いは一期一会の一点物たちです。
腰帯と柱の間に糸を張って織る、伝統的な「腰織り」による手織り。
マヤ末裔の民族の方々が織る衣装(ウィピル)などの織物のほとんどが、この原始的な方法で織られています。
特にララインサールの織物は縫いとり織りという手の込んだ手法で柄が立体的に見えるように織られています。
※訂正:以前「浮織り」と表示しておりましたが詳しい方にお聞きしたところ「縫いとり織り」とのこと
"ウィキペディア"によると…
綾の中でも特に豪華な浮織物(緯糸に経糸が絡まず横糸が浮き出して模様を作る織物)の豪華版で、浮織物の技法に刺繍の要素を加えたもの。 織り出した模様が高く浮き出し、多色の絹糸を用いて非常に色鮮やかに刺繍をしたような織模様の見た目も非常に豪華である。
地の色の経糸を張って浮織物を織り、模様の箇所にそれぞれ任意の色の緯糸を織り込んで模様を色鮮やかに表現する。
実際、村の方々が着ている衣装はより緻密で複雑なデザイン。
対角線状にドットの入った小さなダイアモンド柄のパターンが入る緻密なデザインです。
A TEXTILE GUIDE TO THE HIGHLANDS OF CHIAPAS / Asociacion Cultural Na Balom A.C. より
一点だけ村のスタイルの緻密なタイプを入手しましたのがこちら!
近くで見るとその緻密さに圧倒されます。
裏側を見るとさらに圧巻!糸がびっしり…途方もない仕事量です。
1970年代には少なくとも3つのタイプのセレモニー用のウィピルと、
9つのタイプの普段着用のウィピルがありましたが、
現在ではセレモニー用の織り手さんは年配の方が数名いる程度で、
普段着用ウィピルは袖と首周りに長方形の織柄をつくる同じレイアウトで、3つのタイプが残っているだけだそう。
やはりどこでも徐々に手仕事は減っていく現状…
とはいえ、祖母から母、母から娘へと、この織物は今も代々受け継がれ続け、形を変えながら残っています。
ララインサールのこの衣装の伝統的な織りの技術は、今ではこの村の貴重な収入源でもあります。
先住民族、農民が多く暮らすチアパス州は、メキシコ国内でも貧困地域。
バスでの移動中、村人が道路を封鎖し、通行料を要求するというデモにも遭遇しました…
(しかし一人10ペソ=約65円 というなんとも良心的な料金…)
観光客の多い近郊の街で、村の女性たちはこの織物を用いた商品を売っています。
そのクオリティ、柄の美しさ、色合わせのハイセンスさに初めて出会ったとき、私はすっかり心奪われました。
今回、買い付け旅で仕入れてきたララインサールの商品をちらっとご紹介。
♢♦美しい…ブラウスやワンピース♦♢
胸元と袖に伝統の織り柄。軽い綿素材のワンピースです。胸元と袖にギャザーが入っててすごく可愛い!
♢♦おしゃれなインテリアに…クッションカバー♦♢
アッシュ系の光沢あるペールルカラーが優しい色合いで美しい!
♢♦コスメにぴったり…ポーチも♦♢
美しい…!!
ララインサールの手織物シリーズの特集ページをつくりましたのでぜひチェックしてみてください。
→ 特集ページへ
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written by
世界の布と雑貨のお店
&JOURNEY 店主 : 未希
andjourney.com
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